逆流性食道炎(GERD)

逆流性食道炎(GERD)とは,胃酸の食道への逆流によって生じた潰瘍やびらんなどの粘膜障害を認めるのみでなく,何ら所見を伴わない症例,すなわちnon-ulcer dyspepsia (NUD) のひとつのカテゴリーである胃・食道逆流症を含めて,胃食道逆流症(gastroesophageal reflux disease: GERD) と表現する.

胃食道逆流により起こりやすい症状

1.定型的症状

胸やけ,呑酸
2.非定型的症状 胸痛
3.随伴しやすい症状 胃もたれ,食欲不振
4.まれな症状 咳,呼吸器感染症,齲歯

診断:胸やけ,呑酸(定型的),咽頭の違和感や痛み,胸痛,咳嗽,喘息様症状(非定型的)の有無により診断する.胸痛がある場合は狭心症との鑑別が必要である.
内視鏡(ロサンゼルス分類)粘膜障害の定義は「より正常に見える周囲粘膜と明確に区分される白苔ないし発赤を有する領域」.90年代後半には内視鏡検査症例中の逆流性食道炎の頻度は16.3%とされている.

逆流性食道炎の内視鏡分類
グレードA 長径が5mmをこえない粘膜障害で,粘膜襞に限局する
グレードB 少なくとも1か所の粘膜障害の長径が5mm以上あり,それぞれ別の粘膜襞上に存在する粘膜障害が連続していないもの
グレードC 少なくとも1か所の粘膜障害は2条以上の粘膜襞に連続して広がっているが,全許性ではないもの
グレードD 全周性の粘膜障害
グレードN ノーマル
グレードM 色調変化型,minimal change

治療

初期治療はオメプラール20mg/日,1×朝食後,4〜8週間
オメプラゾール(オメプラール),ランソプラゾール(タケプロン)とラベプラゾール(パリエット)は代謝経路が異なるため効果不十分であれば薬剤を変更する.
ポイント:カルシウム拮抗剤(下部食道括約筋の圧を下げる),テオフィリンなどが併用されていないか.
酸分泌抑制剤とジアゼパム,ワルファリン,フェニトインなどの併用,バレット食道からの癌の発生にも注意する.

逆流性食道炎といわれたら

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