胃炎

胃炎はよく見かける疾患の一つです.急性胃炎は痛みを伴うことが多く,軽い痛みから激しい痛みまで幅広いことが特徴です.強い痛みを伴う胃炎は,胃潰瘍,十二指腸潰瘍などの穿孔による腹膜炎との鑑別が直ちに必要とされます.急性胃炎を胃カメラで見てみると,胃の粘膜は発赤しむくんでいて,ところどころに出血を伴いいかにも痛そうに見えます.潰瘍がなければ一安心です.


胃炎とは胃粘膜における炎症性変化を示し,炎症の経過により急性胃炎と慢性胃炎を区別する.H.pyloriの発見以前は自己免疫性胃炎をのぞいてその病因が明らかではなかった.急性胃炎の内視鏡的所見として,組織学的な急性炎症を反映する,発赤,びらん,浮腫,出血などの粘膜変化が観察される.突然の上腹部痛,嘔吐,出血などで発症し,内視鏡的に急性胃炎の所見に広範囲のびらん・出血や潰瘍形成を伴う病変を急性胃粘膜病変(acute gastric mucosal lesion: AGML) という概念で呼ぶことが多い.

一方,慢性胃炎の場合には,リンパ球などの炎症性細胞浸潤の組織像に合致する,

胃炎の分類(新シドニーシステム)
内視鏡所見
浮腫,発赤,脆弱性,浸出液,平坦びらん,隆起びらん,粘膜ヒダ萎縮,粘膜ヒダ過形成,血管透見性,壁内出血斑,結節性変化 診断のカテゴリー:発赤性・浸出液胃炎,平坦びらん性胃炎,隆起びらん性胃炎,萎縮性胃炎,出血性胃炎,ひだ過形成胃炎,逆流性胃炎,うっ血性胃炎
病理組織所見
急性胃炎,慢性胃炎,特殊性胃炎
成因(H. pyloriー80%,自己免疫性5〜10%,特発性10〜15%)
局在(前庭部胃炎,体部胃炎,汎発性胃炎)
形態(慢性炎症,単核球浸潤の程度,腺萎縮,腸上皮化生,H.ピロリ密度)
その他(浮腫,びらんなどの非特異所見,肉芽腫)
シドニーシステムでは重症度をnone, mild, moderate, markedの4段階に分けて記載する.

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 !   診断のポイント
  • 腹部レントゲン
  • 上部消化管内視鏡
  • 上腹部CT
  • 血液検査
  • 必要に応じてピロリ菌検査