貧血

鉄欠乏性貧血
鉄欠乏性貧血は,貧血の中でもっとも多い.特に女性は鉄欠乏をきたしやすいので,全女性人口の約10%が鉄欠乏性貧血とされている.貧血に至らない鉄欠乏状態は20〜50%の女性に認められる.いつから始まったかはっきりしないふらつき感,少し身体を動かしただけでも息切れがするなどの症状が見られた場合は,一度は疑ってみるべきである.
また,胃癌や大腸癌は気が付かないくらい少しずつの出血が長期に続くため,こうした病変が鉄欠乏性貧血を契機に発見されることがある.

悪性貧血
胃粘膜から内因子が十分に分泌されないためにビタミンB12の吸収がされず,貧血となる.胃全摘術後のビタミンB12欠乏性貧血と,病態が異なるため区別される.
35歳以下で発症することはまれである.消化器症状,神経症状を伴う.しばしば原因不明の発熱や肝脾腫が見られる.

胃切除後ビタミンB12欠乏性貧血
胃の全摘手術後は,ビタミンB12を補充しないと欠乏症は必発である.この場合,内服による補給は無効であるため注射をすべきである.貧血発症までの時間は手術時の体内貯蔵量に左右されるが平均5年とされる.胃の部分切除の場合はB12欠乏症の合併頻度は1〜2%程度である.

葉酸欠乏による貧血
アルコール多飲者,長期にわたる抗痙攣薬の服用,妊娠などで発症することがある.ビタミンB12欠乏性貧血に比較して神経症状を認めない点が異なる.


血液疾患
鉄欠乏性貧血
鉄欠乏に特有の症状:舌炎,口角炎,さじ状爪,胃粘膜萎縮,異食症(鉄欠乏に嚥下障害,舌炎を伴うものをPlummer-Vinson症候群),検査では小球性貧血,TIBCは正常〜上昇,フェリチン低下.鑑別診断:慢性炎症による貧血(血清鉄は低下,フェリチン正常),ピロリ感染が関与している例が報告されている.
自己免疫性溶血性貧血

診断基準:直接クームス陽性(陰性の場合もある),不適合輸血,新生児溶血性疾患,薬剤性を除外.参考:貧血,黄疸,脾腫,ヘモグロビン尿など.

 
検査:ヘモグロビン低下,網赤血球増加,間接ビリルビン増加,尿中ウロビリン増加,血清ハプトグロビン低下,骨髄赤芽球増加
 
鑑別診断:巨赤芽球性貧血,骨髄異形成症候群
再生不良性貧血
先天性(Fanconi貧血),後天性に分かれる.
骨髄異形成症候群(Myelodysplastic syndrome: MDS)
急性白血病
慢性骨髄性白血病
慢性リンパ性白血病

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  • 血液検査
  • 尿検査

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